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OBSERVER

福田敬・東京大学大学院医学系研究科准教授

2011年8月15日号

医療費削減の道具ではない ——「医療経済評価研究の政策への応用に関する予備的研究」の報告書をまとめました。費用対効果の考え方は、日本でも受け入れられるでしょうか。 福田 基本的には有効性、安全性に優れている新薬は、すべて保険の仕組みに入れて給付するのが理想の形。将来、出てくる新薬をどこまで公的保険で賄うか、医療費を増やすときに、いかに合理的に増やすか、ということで、お金が掛かる医療だから敬遠するのではなく、費用対効果の考え方を取り入れるべきだ。 ——一般的に費用対効果というと、医療費を削減するためのツールと受け止められている感があります。 福田 そういう伝わり方をしている感じはある。だが、諸外国を見ても、医療費が下がったことはない。日本で費用対効果の評価をするにしても、医療費削減のツールにはならない。 ——アセスメントは、どういった組織が担う... 医療費削減の道具ではない ——「医療経済評価研究の政策への応用に関する予備的研究」の報告書をまとめました。費用対効果の考え方は、日本でも受け入れられるでしょうか。 福田 基本的には有効性、安全性に優れている新薬は、すべて保険の仕組みに入れて給付するのが理想の形。将来、出てくる新薬をどこまで公的保険で賄うか、医療費を増やすときに、いかに合理的に増やすか、ということで、お金が掛かる医療だから敬遠するのではなく、費用対効果の考え方を取り入れるべきだ。 ——一般的に費用対効果というと、医療費を削減するためのツールと受け止められている感があります。 福田 そういう伝わり方をしている感じはある。だが、諸外国を見ても、医療費が下がったことはない。日本で費用対効果の評価をするにしても、医療費削減のツールにはならない。 ——アセスメントは、どういった組織が担うべき

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