医薬経済オンライン

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世界の医薬品業界

米国の歳出削減がもたらす影響

第53回

医薬評論家 五條正也

2011年8月15日号

 なかなか決着しなかった米国政府の債務上限(14.3兆ドル)の引き上げ法案は、デフォルト(債務不履行)に陥らないための期限とされる8月2日の午後にオバマ大統領が署名して成立した。債務上限を2.4兆ドル引き上げる代わりに、今後10年で連邦政府の歳出を9170億ドル削減、さらに社会保障制度や税制の改革によって1.5兆ドルを削減するものだ。 米国の公的医療であるメディケア(65歳以上と障害者)とメディケイド(低所得者)は最初の歳出削減対象から除外されているが、新設される特別委員会が最低でも1.2兆ドルの歳出削減案を策定できなかったり、その削減案が議会を通過しなかった場合は、軍事費やメディケアを含めた歳出削減が実施される。メディケアは費用の半分近くが政府の税収で賄われていることから、オバマ大統領は今年4月にメディケアの薬剤費を今後10年で2000億ドル削減すると表明しており...  なかなか決着しなかった米国政府の債務上限(14.3兆ドル)の引き上げ法案は、デフォルト(債務不履行)に陥らないための期限とされる8月2日の午後にオバマ大統領が署名して成立した。債務上限を2.4兆ドル引き上げる代わりに、今後10年で連邦政府の歳出を9170億ドル削減、さらに社会保障制度や税制の改革によって1.5兆ドルを削減するものだ。 米国の公的医療であるメディケア(65歳以上と障害者)とメディケイド(低所得者)は最初の歳出削減対象から除外されているが、新設される特別委員会が最低でも1.2兆ドルの歳出削減案を策定できなかったり、その削減案が議会を通過しなかった場合は、軍事費やメディケアを含めた歳出削減が実施される。メディケアは費用の半分近くが政府の税収で賄われていることから、オバマ大統領は今年4月にメディケアの薬剤費を今後10年で2000億ドル削減すると表明しており、

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