医薬経済オンライン

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論点

医療市場動向から医薬ビジネスを占う

第5回

大阪大学大学院医学研究科医療経済産業政策学教授 田倉智之

2011年8月15日号

 一般に、「価格」を論じることは難しいとされる。とくに、高度な専門性があり非可逆的な生命・健康に関わる医療分野では、価格を論じることが現実的ではないとの意見もある。だが、医療制度もシステムとしてはひとつの事業であり、提供される診療サービスに某かの対価を設定しなければ、その運営は立ち行かなくなる。そのため、わが国でも実際に、診療提供(薬物療法)に対して診療報酬という公定価が設定されている。 この収載基準の考え方の説明や解釈はほかに譲るが、多くの問題を抱える現在の医療分野で、経済的な課題の本質に関わる価格形成のあり方に目を向けることは、時代の趨勢と言える。そこで、診療技術などの価格水準の基本的な考え方について、少し汎用的な理論を紹介したい。臨床的な優位性が高い場合は、診療サービスの臨床経済的な価値(=費用対効果というパフォーマンス)の検討に...  一般に、「価格」を論じることは難しいとされる。とくに、高度な専門性があり非可逆的な生命・健康に関わる医療分野では、価格を論じることが現実的ではないとの意見もある。だが、医療制度もシステムとしてはひとつの事業であり、提供される診療サービスに某かの対価を設定しなければ、その運営は立ち行かなくなる。そのため、わが国でも実際に、診療提供(薬物療法)に対して診療報酬という公定価が設定されている。 この収載基準の考え方の説明や解釈はほかに譲るが、多くの問題を抱える現在の医療分野で、経済的な課題の本質に関わる価格形成のあり方に目を向けることは、時代の趨勢と言える。そこで、診療技術などの価格水準の基本的な考え方について、少し汎用的な理論を紹介したい。臨床的な優位性が高い場合は、診療サービスの臨床経済的な価値(=費用対効果というパフォーマンス)の検討におい

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