技術革新と製薬企業の明日
次世代の治療概念「2抗原特異的抗体」
第13回
生島准
2011年8月15日号
今年3月、ジョンソン&ジョンソン傘下のヤンセンファーマが、わが国で乾癬症の特効薬「ステラーラ」(ウステキヌマブ)を発売した。あまり注目を浴びなかったが、この新薬は次世代の抗体医薬のトップランナーのひとつなのだ。 現在、全世界で38種類の抗体医薬とその誘導体が開発されているが、いずれも単一の標的と結合するモノスペシフィック抗体(単一抗原特異的抗体)である。まさに旧来の創薬モデルである鍵と鍵穴という伝統的な医薬概念に基づいて開発された抗体医薬なのだ。 しかし、ステラーラは一味違う。これは2種の抗原に結合することによって薬効を示すバイスペシフィック抗体(2抗原特異的抗体)なのだ。ヤンセンはこの次世代抗体によって、「レミケード」や「ヒュミラ」など乾癬症の炎症反応を惹起する腫瘍壊死因子α(TNFα)と結合する単一抗原特異的抗体医薬群が占有する乾癬症薬市...
今年3月、ジョンソン&ジョンソン傘下のヤンセンファーマが、わが国で乾癬症の特効薬「ステラーラ」(ウステキヌマブ)を発売した。あまり注目を浴びなかったが、この新薬は次世代の抗体医薬のトップランナーのひとつなのだ。 現在、全世界で38種類の抗体医薬とその誘導体が開発されているが、いずれも単一の標的と結合するモノスペシフィック抗体(単一抗原特異的抗体)である。まさに旧来の創薬モデルである鍵と鍵穴という伝統的な医薬概念に基づいて開発された抗体医薬なのだ。 しかし、ステラーラは一味違う。これは2種の抗原に結合することによって薬効を示すバイスペシフィック抗体(2抗原特異的抗体)なのだ。ヤンセンはこの次世代抗体によって、「レミケード」や「ヒュミラ」など乾癬症の炎症反応を惹起する腫瘍壊死因子α(TNFα)と結合する単一抗原特異的抗体医薬群が占有する乾癬症薬市場
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