この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
児童扶養手当は社会保険で
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2011年8月15日号
「児童扶養手当」という制度がある。子育て中の1人親家庭に現金を支給して家計を支援し、以て児童の福祉を支援する、という制度である。片親となる経緯には、離婚・死亡・遺棄・蒸発・未婚の出産などがあるが、死別の場合は保険料滞納が一定以上あるなど支給対象除外要件に該当しない限り、「遺族年金」が支給される。この場合、児童扶養手当は併給されない。 児童扶養手当の受給者は約98.5万人(09年度)。うち、87%が離婚による母子世帯だ。支給額は子ども1人目について9810〜4万1550円、2人目には+5000円、3人目以降には1人増につき+3000円である。 この児童扶養手当、国民感情的に評判がよろしくない。「子を捨てて逃げた親の尻拭いを、公費(税金)で肩代わりしているようなもの」と見えるからだろう。本来父親が支払うべき養育費をなぜ国民の血税で支払わなければならないのか——との...
「児童扶養手当」という制度がある。子育て中の1人親家庭に現金を支給して家計を支援し、以て児童の福祉を支援する、という制度である。片親となる経緯には、離婚・死亡・遺棄・蒸発・未婚の出産などがあるが、死別の場合は保険料滞納が一定以上あるなど支給対象除外要件に該当しない限り、「遺族年金」が支給される。この場合、児童扶養手当は併給されない。 児童扶養手当の受給者は約98.5万人(09年度)。うち、87%が離婚による母子世帯だ。支給額は子ども1人目について9810〜4万1550円、2人目には+5000円、3人目以降には1人増につき+3000円である。 この児童扶養手当、国民感情的に評判がよろしくない。「子を捨てて逃げた親の尻拭いを、公費(税金)で肩代わりしているようなもの」と見えるからだろう。本来父親が支払うべき養育費をなぜ国民の血税で支払わなければならないのか——との疑問
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