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論点

医療市場動向から医薬ビジネスを占う

第4回

大阪大学大学院医学研究科医療経済産業政策学教授 田倉智之

2011年8月1日号

 最初に、医療産業分野の成長の動向を眺めてみたい。医薬品・医療機器のどちらの領域も市場規模は拡大を続けており、医薬品は過去20年間で年平均9%程度、医療機器も過去10年間で5%前後という高い成長率を達成している。そのため、次世代のリーディング産業としての期待が高く、国の成長戦略の一翼に位置づけられるのも頷けるところだ。  一方、研究開発の生産性は低下の波に晒されているようだ。例えば、医薬品の研究開発の場合、研究開発費を積み増して(他産業よりも格段に多い対売上高8〜14%程度)いるものの、米国のFDA(米食品医薬品局)の新薬承認の件数が、96年に60件弱だったのに08年には20件程度に減っていることからも裏付けられる。また、国内に目を向けてみても、基礎研究の候補材料が上市されて製品になる成功確率は、04〜08年の期間平均で2万5000分の1というところまで年...  最初に、医療産業分野の成長の動向を眺めてみたい。医薬品・医療機器のどちらの領域も市場規模は拡大を続けており、医薬品は過去20年間で年平均9%程度、医療機器も過去10年間で5%前後という高い成長率を達成している。そのため、次世代のリーディング産業としての期待が高く、国の成長戦略の一翼に位置づけられるのも頷けるところだ。  一方、研究開発の生産性は低下の波に晒されているようだ。例えば、医薬品の研究開発の場合、研究開発費を積み増して(他産業よりも格段に多い対売上高8〜14%程度)いるものの、米国のFDA(米食品医薬品局)の新薬承認の件数が、96年に60件弱だったのに08年には20件程度に減っていることからも裏付けられる。また、国内に目を向けてみても、基礎研究の候補材料が上市されて製品になる成功確率は、04〜08年の期間平均で2万5000分の1というところまで年々

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