医薬経済オンライン

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From Local to Global 私と公衆衛生

「節電」と聞いて思い出すこと

第34回

国際医療福祉大学副学長 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)

2011年8月1日号

 筆者の勤める大学も電力の大口需要者、15%使用削減のため、7月1日から教室のエアコンを止め、窓を開けて授業をしている。この節電令の発動は石油危機以来37年ぶりと言われる。そのときの反省から、化石エネルギーへの依存脱却のために原子力の利用を推進してきたわけだが、その結果が今回の事態でもある。 化石エネルギーのうち、石油の9割を中東に依存している日本は、あらゆる手立てで石油入手ルートを確保してきた。58年、「アラビア太郎」こと山下太郎が興したアラビア石油(アラ石)が、サウディアラビア沖にカフジ油田を発見し、40年間の採掘利権を得て61年2月に生産を開始した。アラ石は最盛期には日本の石油消費量の5%を輸出し、エネルギーの安定供給に大きく貢献した。 アラ石とサウディアラビアとの間で結ばれた利権協定の失効する00年2月が近づきつつあった。民間企業の権益更新交渉で...  筆者の勤める大学も電力の大口需要者、15%使用削減のため、7月1日から教室のエアコンを止め、窓を開けて授業をしている。この節電令の発動は石油危機以来37年ぶりと言われる。そのときの反省から、化石エネルギーへの依存脱却のために原子力の利用を推進してきたわけだが、その結果が今回の事態でもある。 化石エネルギーのうち、石油の9割を中東に依存している日本は、あらゆる手立てで石油入手ルートを確保してきた。58年、「アラビア太郎」こと山下太郎が興したアラビア石油(アラ石)が、サウディアラビア沖にカフジ油田を発見し、40年間の採掘利権を得て61年2月に生産を開始した。アラ石は最盛期には日本の石油消費量の5%を輸出し、エネルギーの安定供給に大きく貢献した。 アラ石とサウディアラビアとの間で結ばれた利権協定の失効する00年2月が近づきつつあった。民間企業の権益更新交渉では

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