「薬剤経済評価」は日本に根付くか
無頓着だった費用対効果、ようやく導入機運
2011年7月15日号
日本で薬剤費に費用対効果の視点を取り入れることの必要性は、指摘されてすでに久しい。 92年8月には早くも、製薬企業が新薬を薬価申請する際に、その薬剤の費用対効果に関する資料を提出することが認められている。20年近く前から、薬剤経済評価は、日本の薬価制度の片隅にひっそりと息づいているわけだ。 ただし、この資料提出の仕組みは実務上、ほとんど機能していない。理由は単純で、申請企業にとって、メリットがないからだ。 そもそも、開発中の新薬が費用対効果の側面でも先行他剤に対して優位であることを証明するには、かなりの労力を要する。しかも、多額の研究開発費を投じて経済的エビデンスを得ることができたとしても、薬価算定に有利に働くケースなど、ほとんどないというのが実態のようだ。要するに薬剤経済評価は、政策として機能していないのである。 92年以降も時折、費用対...
日本で薬剤費に費用対効果の視点を取り入れることの必要性は、指摘されてすでに久しい。 92年8月には早くも、製薬企業が新薬を薬価申請する際に、その薬剤の費用対効果に関する資料を提出することが認められている。20年近く前から、薬剤経済評価は、日本の薬価制度の片隅にひっそりと息づいているわけだ。 ただし、この資料提出の仕組みは実務上、ほとんど機能していない。理由は単純で、申請企業にとって、メリットがないからだ。 そもそも、開発中の新薬が費用対効果の側面でも先行他剤に対して優位であることを証明するには、かなりの労力を要する。しかも、多額の研究開発費を投じて経済的エビデンスを得ることができたとしても、薬価算定に有利に働くケースなど、ほとんどないというのが実態のようだ。要するに薬剤経済評価は、政策として機能していないのである。 92年以降も時折、費用対効果
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