世界の医薬品業界
ファイザーとリリーの方向性
第52回
医薬評論家 五條正也
2011年7月15日号
表1は、ファイザーが今年2月1日の10年決算発表で示した今後の販売管理費と研究開発費(R&D費)の見通しで、その比率は筆者が加えたものだ。販管費率は28〜29%を維持しそうだが、R&D比率は12年には10%まで低下する可能性がある。すでに研究者は2000人以上減らしたので、1人平均で社会保障費用を合わせて20万ドルの給与なら、4億ドルは減る。研究施設も次々と閉鎖しているので、こちらも何億ドルもの経費が削減されることになる。 「リピトール」は今年11月に米国で後発品が登場し、12年にはリピトールだけで50億ドル以上の減収となる可能性が高い。昨年、米国で発売した小児肺炎球菌ワクチンの「プレヴナー13」(13の菌種に対応する13価のワクチンで、日本のプレベナーは7価)は初年度から世界で24.2億ドルという非常に好調な製品もある。だが、有望な開発品が限られるため、ファイザー...
表1は、ファイザーが今年2月1日の10年決算発表で示した今後の販売管理費と研究開発費(R&D費)の見通しで、その比率は筆者が加えたものだ。販管費率は28〜29%を維持しそうだが、R&D比率は12年には10%まで低下する可能性がある。すでに研究者は2000人以上減らしたので、1人平均で社会保障費用を合わせて20万ドルの給与なら、4億ドルは減る。研究施設も次々と閉鎖しているので、こちらも何億ドルもの経費が削減されることになる。 「リピトール」は今年11月に米国で後発品が登場し、12年にはリピトールだけで50億ドル以上の減収となる可能性が高い。昨年、米国で発売した小児肺炎球菌ワクチンの「プレヴナー13」(13の菌種に対応する13価のワクチンで、日本のプレベナーは7価)は初年度から世界で24.2億ドルという非常に好調な製品もある。だが、有望な開発品が限られるため、ファイザーが
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