医薬経済オンライン

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薬局に忍び寄る「受難」の足音

12年度改定、厳しいのは「調剤報酬」

㈱薬新 井高恭彦

2011年7月1日号

 医療経済実態調査と薬価調査の実施に強く反対していた日本医師会が条件付きで実施を認め、12年度を見据えた診療報酬、薬価改定論議は、何とかスタートを切った。もっとも日医は「調査実施は必ずしも改定と直結しない」と主張し、相変わらず「12年度改定延期」という立場を崩していない。周知の通り、震災復興に多くの財源を必要とするこの時期に、改定を実施すれば診療報酬は「よくて据え置き、最悪マイナス」という危機感が背景にある。しかし、実は厳しい対応が予測されるのは、診療報酬より、むしろ調剤報酬だ。  厚生労働省がまとめた09年度の医療費動向で、計35兆3000億円の医療費のうち、調剤は前年度比7.9%増の5兆9000億円、全体の16.7%を占める。しかも、医科も歯科もここ数年、1〜2%の低成長なのに、調剤だけは最高8%台、最低でも3%台の高率で伸び続けている。こうした状況のなか、昨...  医療経済実態調査と薬価調査の実施に強く反対していた日本医師会が条件付きで実施を認め、12年度を見据えた診療報酬、薬価改定論議は、何とかスタートを切った。もっとも日医は「調査実施は必ずしも改定と直結しない」と主張し、相変わらず「12年度改定延期」という立場を崩していない。周知の通り、震災復興に多くの財源を必要とするこの時期に、改定を実施すれば診療報酬は「よくて据え置き、最悪マイナス」という危機感が背景にある。しかし、実は厳しい対応が予測されるのは、診療報酬より、むしろ調剤報酬だ。  厚生労働省がまとめた09年度の医療費動向で、計35兆3000億円の医療費のうち、調剤は前年度比7.9%増の5兆9000億円、全体の16.7%を占める。しかも、医科も歯科もここ数年、1〜2%の低成長なのに、調剤だけは最高8%台、最低でも3%台の高率で伸び続けている。こうした状況のなか、昨年か

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