医薬経済オンライン

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新薬の市場環境を読む

依然高いバイオシミラーのハードル

第4回

バークレイズ・キャピタル証券株式会社株式調査部 関篤史

2011年7月1日号

 抗体医薬や、インスリンなどのタンパク質を含む生物学的製剤の売上高は、15年には全世界の医薬品支出の15%に相当する1660億ドルに拡大すると予想されている。がん、炎症性疾患、多発性硬化症などの治療薬のうち15年までにはほぼ40%の特許が失効するとみられ、各国政府や保険支払機関がコスト抑制のために、ジェネリックが成功裏に登場することを望んでいるのは明らかだろう。 ただし、これらのジェネリック(バイオシミラー)の開発は極めて困難だ。各々の生物学的製剤はそれぞれ固有の製造プロセスにより定義されており、複製が難しい。従って規制当局は例外なくバイオシミラーに対して、直接比較試験によって先発薬と同様の有効性と安全性を立証することを求めており、このため開発期間は7〜8年、バイオシミラー1剤当たりの研究開発費は1.5億ドルにも達する。 当社は、一部の生物学的製剤...  抗体医薬や、インスリンなどのタンパク質を含む生物学的製剤の売上高は、15年には全世界の医薬品支出の15%に相当する1660億ドルに拡大すると予想されている。がん、炎症性疾患、多発性硬化症などの治療薬のうち15年までにはほぼ40%の特許が失効するとみられ、各国政府や保険支払機関がコスト抑制のために、ジェネリックが成功裏に登場することを望んでいるのは明らかだろう。 ただし、これらのジェネリック(バイオシミラー)の開発は極めて困難だ。各々の生物学的製剤はそれぞれ固有の製造プロセスにより定義されており、複製が難しい。従って規制当局は例外なくバイオシミラーに対して、直接比較試験によって先発薬と同様の有効性と安全性を立証することを求めており、このため開発期間は7〜8年、バイオシミラー1剤当たりの研究開発費は1.5億ドルにも達する。 当社は、一部の生物学的製剤はラ

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