医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

From Local to Global 私と公衆衛生

政治の混迷と議員立法─臓器移植法の経験から

第33回

国際医療福祉大学副学長 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)

2011年7月1日号

 大震災後、政治は混迷を深めている。民主党は衆議院絶対多数のなか解散はないが、ポスト菅の非常時政権運営を民自大連立で行う可能性さえ出てきている。双方、党利党略で政策に一致点を見出せるのだろうか。最近の政治を眺めていると、かつての細川非自民非共産政権や村山自社さ連立政権時代を思い出す。合従連衡を繰り返していた当時、議員立法で臓器移植法案が提出された。法案はいったん廃案になるが再提出され、3年3ヵ月かかって成立する。  今回は臓器移植法を回顧しつつ、立法府の使命について考える。 南アフリカのバーナード博士が世界初の心臓移植手術を行ってから8ヵ月後の68年8月、世界で30例目となる心臓移植が日本で行われた。この手術に関しては患者の死亡後、裁判にもなったので印象に残っていると思うが、ドナーの死の確認法やレシピエントの手術適応などを巡り、大きな議論が沸き起...  大震災後、政治は混迷を深めている。民主党は衆議院絶対多数のなか解散はないが、ポスト菅の非常時政権運営を民自大連立で行う可能性さえ出てきている。双方、党利党略で政策に一致点を見出せるのだろうか。最近の政治を眺めていると、かつての細川非自民非共産政権や村山自社さ連立政権時代を思い出す。合従連衡を繰り返していた当時、議員立法で臓器移植法案が提出された。法案はいったん廃案になるが再提出され、3年3ヵ月かかって成立する。  今回は臓器移植法を回顧しつつ、立法府の使命について考える。 南アフリカのバーナード博士が世界初の心臓移植手術を行ってから8ヵ月後の68年8月、世界で30例目となる心臓移植が日本で行われた。この手術に関しては患者の死亡後、裁判にもなったので印象に残っていると思うが、ドナーの死の確認法やレシピエントの手術適応などを巡り、大きな議論が沸き起こ

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence