世界の医薬品業界
低薬価が研究開発費を減らす
第51回
医薬評論家 五條正也
2011年6月15日号
ドイツでは今年1月に実施された「医薬品市場構造改革法」により、従来は自由に薬価を設定できたブランドの新製品が、自由薬価は上市後1年間だけとなった。メーカーは発売時にその設定価格と既存の医薬品より優れていることを証明する文書を国のG─BAと呼ばれる連邦委員会に提出し、同委員会は3ヵ月以内に既存製品と比べて付加的な便益があるかどうかを審査する。十分な付加的便益があると判断されれば、メーカーの設定した薬価は変更されないが、そうでないと判断された場合は、他国の薬価も参考にして値引きした薬価が設定される。
この評価の対象となった最初の製品がアストラゼネカの抗血小板剤「ブリリック」(チカグレロール、米国名はブリリンタ)で、同社は1日当たりの薬価(90㎎×2回)を3.4ユーロに設定した(表1)。これはプラビックスの2.7ユーロに比べて26%高いが、医薬品の経済評価...
ドイツでは今年1月に実施された「医薬品市場構造改革法」により、従来は自由に薬価を設定できたブランドの新製品が、自由薬価は上市後1年間だけとなった。メーカーは発売時にその設定価格と既存の医薬品より優れていることを証明する文書を国のG─BAと呼ばれる連邦委員会に提出し、同委員会は3ヵ月以内に既存製品と比べて付加的な便益があるかどうかを審査する。十分な付加的便益があると判断されれば、メーカーの設定した薬価は変更されないが、そうでないと判断された場合は、他国の薬価も参考にして値引きした薬価が設定される。
この評価の対象となった最初の製品がアストラゼネカの抗血小板剤「ブリリック」(チカグレロール、米国名はブリリンタ)で、同社は1日当たりの薬価(90㎎×2回)を3.4ユーロに設定した(表1)。これはプラビックスの2.7ユーロに比べて26%高いが、医薬品の経済評価とし
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