医薬経済オンライン

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医療の流れを見極める

思えば遠くに来たものだ

Chapter69

伊竜忠志

2011年6月15日号

 江戸時代には、さまざまな分野で分業が発展する。多数の工程を必要とする着物の織りや染めのように、各工程を分業化することで個々の作業の専門化、特殊化が育まれた。和傘も、十数工程の分業を経て出来上がる。ちなみに、江戸時代の浪人の内職と言えば、「傘張り」と決まっているが、この内職は工程に組み入れられたものではなく、壊れた傘や破れた紙を張り直すリサイクルだった。  また、江戸時代の医者は、現代のような免許制度ではなく、医術の心得があろうとなかろうとお構いなしだった。それだけ医術が信頼されていなかった裏返しと言えよう。もちろん、現代のような健康保険制度はなく、医者が自由に値段を決めた。投薬には現代の薬局に当たる薬種問屋で売っている薬を用いることもあったが、医者が病状に合わせて処方した薬草を煎じたそうだ。そして、明治に入っても医療保険は薬剤を中心に...  江戸時代には、さまざまな分野で分業が発展する。多数の工程を必要とする着物の織りや染めのように、各工程を分業化することで個々の作業の専門化、特殊化が育まれた。和傘も、十数工程の分業を経て出来上がる。ちなみに、江戸時代の浪人の内職と言えば、「傘張り」と決まっているが、この内職は工程に組み入れられたものではなく、壊れた傘や破れた紙を張り直すリサイクルだった。  また、江戸時代の医者は、現代のような免許制度ではなく、医術の心得があろうとなかろうとお構いなしだった。それだけ医術が信頼されていなかった裏返しと言えよう。もちろん、現代のような健康保険制度はなく、医者が自由に値段を決めた。投薬には現代の薬局に当たる薬種問屋で売っている薬を用いることもあったが、医者が病状に合わせて処方した薬草を煎じたそうだ。そして、明治に入っても医療保険は薬剤を中心に組み

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