「食」の感覚取り戻せ | 医薬経済オンライン

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「食」の感覚取り戻せ

2011年6月15日号

　激しい腹痛と下痢に襲われ、なかには腎障害を起すケースもあった。患者は100人を超えて4人が死亡し、うち2人は6歳の男の子だった。ゴールデンウイーク中に大騒ぎになった「ユッケ食中毒事件」だ。　食中毒は富山、福井、神奈川の3県で起き、「1皿280円」の安いユッケの生牛肉がその原因だった。生牛肉は、腸管出血性大腸菌「Ｏ111」に汚染されていた。焼き肉チェーン店の社長が路上で土下座する姿が、事件をより一層悲惨なものにした。　それにしてもなぜ、抵抗力のない子どもに生の牛肉を食べさせるのだろうか。子どもを亡くした親への同情は別として生肉に対する警戒心がないと言わざるを得ない。　問題の大腸菌のＯ111は、15年前に大阪府堺市の学校で起きた集団食中毒の病原体として知られ、カイワレ騒動にまでなった、あのＯ157の仲間だ。腸管出血性大腸菌という呼び方は、ベロ毒素をつくり出して... 　激しい腹痛と下痢に襲われ、なかには腎障害を起すケースもあった。患者は100人を超えて4人が死亡し、うち2人は6歳の男の子だった。ゴールデンウイーク中に大騒ぎになった「ユッケ食中毒事件」だ。　食中毒は富山、福井、神奈川の3県で起き、「1皿280円」の安いユッケの生牛肉がその原因だった。生牛肉は、腸管出血性大腸菌「Ｏ111」に汚染されていた。焼き肉チェーン店の社長が路上で土下座する姿が、事件をより一層悲惨なものにした。　それにしてもなぜ、抵抗力のない子どもに生の牛肉を食べさせるのだろうか。子どもを亡くした親への同情は別として生肉に対する警戒心がないと言わざるを得ない。　問題の大腸菌のＯ111は、15年前に大阪府堺市の学校で起きた集団食中毒の病原体として知られ、カイワレ騒動にまでなった、あのＯ157の仲間だ。腸管出血性大腸菌という呼び方は、ベロ毒素をつくり出して出血

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