医薬経済オンライン

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ラテン転々

邦字紙の友人

No.13

三山喬

2011年6月15日号

 ブラジルに暮らす友人と数年ぶりに会った。彼は久しぶりの里帰り中だった。サンパウロの地で日本人移民向け邦字紙『ニッケイ新聞』の編集長をしている。 08年に移住100周年を迎えたブラジルでは、いくつもの邦字紙が生まれては消えたが、戦後は『パウリスタ』、『サンパウロ』、『日伯毎日』の3紙体制が長く続いた。 しかし、戦後移住の時代から遠く離れた現在では、邦字紙の読者は、もはや高齢の1世だけ。10年ほど前には、パウリスタと日伯毎日が合併し、ニッケイ新聞となった。残る2紙の一方が消えるのも、時間の問題である。 それにしても、両紙ともよくここまで持ち堪えているものだ、と感心する。日本のバブル期、ブラジルから日系の2世、3世が〝Uターン出稼ぎ〟で来日するようになったが、彼らの父祖が故郷ブラジルで読む邦字新聞より、日本で刊行されるデカセギ日系人向けのポルトガル語紙の...  ブラジルに暮らす友人と数年ぶりに会った。彼は久しぶりの里帰り中だった。サンパウロの地で日本人移民向け邦字紙『ニッケイ新聞』の編集長をしている。 08年に移住100周年を迎えたブラジルでは、いくつもの邦字紙が生まれては消えたが、戦後は『パウリスタ』、『サンパウロ』、『日伯毎日』の3紙体制が長く続いた。 しかし、戦後移住の時代から遠く離れた現在では、邦字紙の読者は、もはや高齢の1世だけ。10年ほど前には、パウリスタと日伯毎日が合併し、ニッケイ新聞となった。残る2紙の一方が消えるのも、時間の問題である。 それにしても、両紙ともよくここまで持ち堪えているものだ、と感心する。日本のバブル期、ブラジルから日系の2世、3世が〝Uターン出稼ぎ〟で来日するようになったが、彼らの父祖が故郷ブラジルで読む邦字新聞より、日本で刊行されるデカセギ日系人向けのポルトガル語紙のほ

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