技術革新と製薬企業の明日
日本企業復興のカギ「抗体—薬剤複合体」
第11回
生島准
2011年6月15日号
「これは抗がん剤の化学療法としても革命を起こすものだ」 乳がんの権威がこう絶賛するのは、現在、乳がんを対象にロシュが海外で第Ⅲ相、中外製薬が国内で第Ⅱ相臨床試験を行っている抗体—薬剤複合体、T—DM1である。強力な抗がん作用を示すが、化学抗がん剤に付き物の副作用が非常に軽微であるためだ。今までの臨床試験では、重篤な副作用はほとんど報告されていない。 化学抗がん剤は、抗体医薬との融合によって副作用の輪廻を断つことが可能になる。次世代の抗体医薬の大いなる挑戦が始まった。ただし、この挑戦は、一度挫折した新薬開発のいわばリターンマッチであることを忘れてはならない。 10年6月21日、ファイザーが急性骨髄性白血病薬「マイロターグ」の承認を米国で取り下げた(日本では対象疾患、使用法が異なるため、他の抗がん剤との併用をしないことを前提に販売継続)。マイロター...
「これは抗がん剤の化学療法としても革命を起こすものだ」 乳がんの権威がこう絶賛するのは、現在、乳がんを対象にロシュが海外で第Ⅲ相、中外製薬が国内で第Ⅱ相臨床試験を行っている抗体—薬剤複合体、T—DM1である。強力な抗がん作用を示すが、化学抗がん剤に付き物の副作用が非常に軽微であるためだ。今までの臨床試験では、重篤な副作用はほとんど報告されていない。 化学抗がん剤は、抗体医薬との融合によって副作用の輪廻を断つことが可能になる。次世代の抗体医薬の大いなる挑戦が始まった。ただし、この挑戦は、一度挫折した新薬開発のいわばリターンマッチであることを忘れてはならない。 10年6月21日、ファイザーが急性骨髄性白血病薬「マイロターグ」の承認を米国で取り下げた(日本では対象疾患、使用法が異なるため、他の抗がん剤との併用をしないことを前提に販売継続)。マイロターグは
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