MSAパートナーズ レポート
トンネルの出口が見え始めたファイザー
危機から「ポスト・リピトール時代」へ
2011年6月1日号
昨年12月、ジェフリー・キンドラー氏は、4年半務めたファイザーのCEO職を辞した。09年10月のワイス買収という大仕事から約1年後のことだった。キンドラー氏は在任中、休むことなくファイザーの舵取りに努めたが、注目度の高い開発薬の相次ぐ失敗や、COX2阻害剤「ベクストラ」や他製品に関する不正な販促活動疑惑を巡る連邦捜査に関し、 歴代最高の23億ドルを支払って和解するといった問題に見舞われた。辞職は疲労のためと報じられたが、ファイザーが「ポスト・リピトール時代」への移行を成功裏に収めるために実施したワイス統合を見届け、「やるべきことはやった」と肩の荷を下ろしたのだろう。 代わってファイザーの新社長兼CEOに就任したイアン・リード氏が直面する火急の問題は、世界最大の売上高を誇るリピトールの特許失効にどう対応していくかというものだ。リピトールの売上高は、0...
昨年12月、ジェフリー・キンドラー氏は、4年半務めたファイザーのCEO職を辞した。09年10月のワイス買収という大仕事から約1年後のことだった。キンドラー氏は在任中、休むことなくファイザーの舵取りに努めたが、注目度の高い開発薬の相次ぐ失敗や、COX2阻害剤「ベクストラ」や他製品に関する不正な販促活動疑惑を巡る連邦捜査に関し、 歴代最高の23億ドルを支払って和解するといった問題に見舞われた。辞職は疲労のためと報じられたが、ファイザーが「ポスト・リピトール時代」への移行を成功裏に収めるために実施したワイス統合を見届け、「やるべきことはやった」と肩の荷を下ろしたのだろう。 代わってファイザーの新社長兼CEOに就任したイアン・リード氏が直面する火急の問題は、世界最大の売上高を誇るリピトールの特許失効にどう対応していくかというものだ。リピトールの売上高は、08年
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