時流遡航
先端光科学研究の世界を訪ねて
第7回
ジャーナリスト 本田成親
2011年6月1日号
スプリング8で行われている7分野の基礎科学研究のうち、生命科学と物質材料科学についてはすでに述べたので、残りの分野についてもその概要を記しておきたい。構造物性科学 物質の構造や機能を研究して新たな物質機能の発見や創出、既知の物質機能のより効率的な利用法の開発、優れた機能をもつ新物質の合成などをめざす分野である。この研究において威力を発揮するのがX線回折・散乱法で、この手法にとって、ビームサイズ(光線束の径)も光の発散度も極めて小さく輝度の高いスプリング8の放射光は無二の存在なのである。この放射光X線を用いれば、極微量の試料からでも十分な強度のシグナル検出が可能で、そのシグナル情報を解析すれば極めて高精度の回折像が得られる。構造物性ビームラインのひとつ 60〜80個ほどの炭素原子がサッカーボール状に結合した極微分子(フラーレン)には1〜3個金属原...
スプリング8で行われている7分野の基礎科学研究のうち、生命科学と物質材料科学についてはすでに述べたので、残りの分野についてもその概要を記しておきたい。構造物性科学 物質の構造や機能を研究して新たな物質機能の発見や創出、既知の物質機能のより効率的な利用法の開発、優れた機能をもつ新物質の合成などをめざす分野である。この研究において威力を発揮するのがX線回折・散乱法で、この手法にとって、ビームサイズ(光線束の径)も光の発散度も極めて小さく輝度の高いスプリング8の放射光は無二の存在なのである。この放射光X線を用いれば、極微量の試料からでも十分な強度のシグナル検出が可能で、そのシグナル情報を解析すれば極めて高精度の回折像が得られる。構造物性ビームラインのひとつ 60〜80個ほどの炭素原子がサッカーボール状に結合した極微分子(フラーレン)には1〜3個金属原子
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