OBSERVER
小田切優樹・崇城大学薬学部長
2011年5月15日号
「6年制」の成否、結論は10年後 ——来年、「薬学教育6年制」導入後、初の卒業生が出ます。6年制はよかったのでしょうか、悪かったのでしょうか。 小田切 非常に難しい質問だ。そもそも、6年制になったのは4年制教育では不十分だということが大きな理由だった。確かに一面ではその通りだが、「4年制だから学力不足」と結論づけたことは疑問だ。また、海外では薬学はほとんど6年制ということに加え、医師や歯科医師は6年制なのに、薬剤師だけが4年制で、三師会のなかで、薬剤師の地位が低いと考えたことも背景にある。結果としては、薬剤師免許を取れる6年制と研究者養成の4年制の並立になった。 今から15年ほど前になるが、熊本県薬剤師会で、「かつて私が留学したオランダでは、薬剤師が医師と対等に仕事をして、それに見合った収入を得ていた。名実ともにその地位が国家から保証されている。も...
「6年制」の成否、結論は10年後 ——来年、「薬学教育6年制」導入後、初の卒業生が出ます。6年制はよかったのでしょうか、悪かったのでしょうか。 小田切 非常に難しい質問だ。そもそも、6年制になったのは4年制教育では不十分だということが大きな理由だった。確かに一面ではその通りだが、「4年制だから学力不足」と結論づけたことは疑問だ。また、海外では薬学はほとんど6年制ということに加え、医師や歯科医師は6年制なのに、薬剤師だけが4年制で、三師会のなかで、薬剤師の地位が低いと考えたことも背景にある。結果としては、薬剤師免許を取れる6年制と研究者養成の4年制の並立になった。 今から15年ほど前になるが、熊本県薬剤師会で、「かつて私が留学したオランダでは、薬剤師が医師と対等に仕事をして、それに見合った収入を得ていた。名実ともにその地位が国家から保証されている。もち
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