海外時報
財政再建モードで約束は白紙に
製薬業界には進むも引くも地獄
2011年5月15日号
財政赤字削減をアピールする下院共和党の計画に対抗したオバマ大統領の財政健全化構想に、米国製薬業界は危機感を覚えている。医療改革に盛り込まれた向こう10年間の政策合意を白紙に戻し、再交渉が必要になるかもしれないからだ。
民主党政権のメディケア費用抑制策は、①独立医療費支払諮問理事会(IPAB)を通じた支出増加率チェック機能の強化②メディケアの購買力を駆使した薬剤費の抑制③患者の安全・質改善と不正防止対策の強化──を柱に、12年間で4800億ドルの効果を見込んでいる。医療改革が実現する10年で5500億ドルの増加額抑制に上乗せする額だ。
3200万人余の新たな保険適用が刺激する薬剤需要の見返りに、製薬業界は医療改革で10年850億ドルの財政貢献を約束した。だが、政権は業界の追加貢献を狙っている。
医療扶助制度メディケイドの対象でもある低所得の高齢者(いわゆる二重...
財政赤字削減をアピールする下院共和党の計画に対抗したオバマ大統領の財政健全化構想に、米国製薬業界は危機感を覚えている。医療改革に盛り込まれた向こう10年間の政策合意を白紙に戻し、再交渉が必要になるかもしれないからだ。
民主党政権のメディケア費用抑制策は、①独立医療費支払諮問理事会(IPAB)を通じた支出増加率チェック機能の強化②メディケアの購買力を駆使した薬剤費の抑制③患者の安全・質改善と不正防止対策の強化──を柱に、12年間で4800億ドルの効果を見込んでいる。医療改革が実現する10年で5500億ドルの増加額抑制に上乗せする額だ。
3200万人余の新たな保険適用が刺激する薬剤需要の見返りに、製薬業界は医療改革で10年850億ドルの財政貢献を約束した。だが、政権は業界の追加貢献を狙っている。
医療扶助制度メディケイドの対象でもある低所得の高齢者(いわゆる二重資格
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