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経済記事の読み方

笑えない日本の「ポルトガル化」

著名投資家の同情が憐憫に・・・・・・

2011年5月15日号

 「3.11」後、にわかに勢い付いた論議のひとつに「日本のポルトガル化」という仮説がある。15世紀後半から始まった大航海時代に、隣国スペインと世界を二分するほどの勢力を誇りながら、程なく世界史の表舞台から去った海洋帝国にわが国の未来を重ね合わせる史観だ。米国人著名投資家ジム・ロジャースが09年前後から唱え始めたものとされるが、東日本大震災の発生を機に、「リスボン大震災」との相似性も加わって国内の言論界に一気に広まった。  1755年11月1日にポルトガルの首都リスボンのほぼ直下で起きたM8.7の巨大地震は、津波を伴って市街地をなぎ倒し、同時に発生した大火は6日間に渡って燃え続けた。犠牲者の数は津波だけで1万数千人、トータルでは5〜6万人に上ったと推計されている。当時のポルトガルはオランダやイギリスといった「新興国」にインドや極東貿易の主導権を奪われて久しく、...  「3.11」後、にわかに勢い付いた論議のひとつに「日本のポルトガル化」という仮説がある。15世紀後半から始まった大航海時代に、隣国スペインと世界を二分するほどの勢力を誇りながら、程なく世界史の表舞台から去った海洋帝国にわが国の未来を重ね合わせる史観だ。米国人著名投資家ジム・ロジャースが09年前後から唱え始めたものとされるが、東日本大震災の発生を機に、「リスボン大震災」との相似性も加わって国内の言論界に一気に広まった。  1755年11月1日にポルトガルの首都リスボンのほぼ直下で起きたM8.7の巨大地震は、津波を伴って市街地をなぎ倒し、同時に発生した大火は6日間に渡って燃え続けた。犠牲者の数は津波だけで1万数千人、トータルでは5〜6万人に上ったと推計されている。当時のポルトガルはオランダやイギリスといった「新興国」にインドや極東貿易の主導権を奪われて久しく、植民

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