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あり得ない「虐待」からの臓器提供

2011年5月15日号

 連日の東日本大震災の報道に紙面を取られて、その扱いに派手さはなかったものの、大半の新聞が「新しい一歩」と捉えていた。昨年7月に施行された改正臓器移植法に基づき、国内で初めて15歳未満の子供が脳死と判定されてドナー(臓器提供者)となり、4月中旬に実施された脳死移植のことである。 日本の新聞が脳死移植という医療を前向きに報道するようになったことは喜ばしい限りだ。1968(昭和43)年に札幌医科大の和田寿郎教授(今年2月14日、88歳で死去)が日本初の心臓移植手術を行い、脳死判定などを巡って批判を浴び、その結果、日本の移植医療は大きく遅れた。それを患者団体や移植医らの絶え間ない努力で、何とかここまで漕ぎ着けられたからだ。 ただ、各新聞の記事を並べて見てみると、ひとつ気になる部分がある。それはこんなくだりである。 「大切なのは、臓器提供までの経過をわかりやす...  連日の東日本大震災の報道に紙面を取られて、その扱いに派手さはなかったものの、大半の新聞が「新しい一歩」と捉えていた。昨年7月に施行された改正臓器移植法に基づき、国内で初めて15歳未満の子供が脳死と判定されてドナー(臓器提供者)となり、4月中旬に実施された脳死移植のことである。 日本の新聞が脳死移植という医療を前向きに報道するようになったことは喜ばしい限りだ。1968(昭和43)年に札幌医科大の和田寿郎教授(今年2月14日、88歳で死去)が日本初の心臓移植手術を行い、脳死判定などを巡って批判を浴び、その結果、日本の移植医療は大きく遅れた。それを患者団体や移植医らの絶え間ない努力で、何とかここまで漕ぎ着けられたからだ。 ただ、各新聞の記事を並べて見てみると、ひとつ気になる部分がある。それはこんなくだりである。 「大切なのは、臓器提供までの経過をわかりやすく

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