医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

先頭走る日本の抗体医薬「誘導体」開発

第10回

生島准

2011年5月15日号

 大型連休直前の4月27日、協和発酵キリンは同社の独自技術ポテリジェントで開発した抗体医薬の誘導体「KW0761」を、世界で初めて承認申請した。 当初はマウス抗体から始まった抗体医薬の実用化だが、市場拡大の壁となった副作用、抗原性を回避するため、キメラ抗体(マウス抗体の抗原結合部位とヒト抗体の定常領域のキメラ分子、マウス抗体は全体の33%程度)、そしてヒト化抗体(10%程度、マウス抗体が残る)、完全ヒト抗体へと技術が成熟した。第1期の抗体医薬開発がより安全性の高いヒト抗体をめざしたものなら、21世紀に入って活発化した第2期の抗体医薬の開発は、より効果の高い誘導体の開発に焦点を当てたものといえる。 考えれば当然だが、抗体医薬も低分子医薬と同様に、より安全で効果が高い誘導体開発へと進むのだ。しかも、従来の化学合成低分子医薬の分子量がたった1000以下にとどまる...  大型連休直前の4月27日、協和発酵キリンは同社の独自技術ポテリジェントで開発した抗体医薬の誘導体「KW0761」を、世界で初めて承認申請した。 当初はマウス抗体から始まった抗体医薬の実用化だが、市場拡大の壁となった副作用、抗原性を回避するため、キメラ抗体(マウス抗体の抗原結合部位とヒト抗体の定常領域のキメラ分子、マウス抗体は全体の33%程度)、そしてヒト化抗体(10%程度、マウス抗体が残る)、完全ヒト抗体へと技術が成熟した。第1期の抗体医薬開発がより安全性の高いヒト抗体をめざしたものなら、21世紀に入って活発化した第2期の抗体医薬の開発は、より効果の高い誘導体の開発に焦点を当てたものといえる。 考えれば当然だが、抗体医薬も低分子医薬と同様に、より安全で効果が高い誘導体開発へと進むのだ。しかも、従来の化学合成低分子医薬の分子量がたった1000以下にとどまるの

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