医薬経済オンライン

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「1兆円構想」はもはや有害

米輸血関連大手を買収したテルモのリスク

2011年5月1日号

 文字通り、経営の足を掬われたと言えるだろう。東日本大震災の4日前、米輸血関連大手のカリディアンBCTホールディングスを26億2500万ドル(約2152億円)で買収すると発表し、世を驚かせたテルモである。「(輸血関連事業の)グローバルリーダーとして成長を加速する」と、新宅祐太郎社長が自信たっぷりに宣言したその8日後には、主力工場が集中する静岡県東部でもマグニチュード6.4の地震が発生。結果としてこれまでに、生産設備の復旧費に加えて輪番停電に伴う歩留りの悪化、さらには米FDA(食品医薬品局)に対する米子会社の和解金支払いというおまけも乗っかり、11年3月期に営業損益でマイナス12億円、当期損益で同42億円という減益修正発表を強いられた。  最終的な数字の確定は5月11日の決算発表を待たねばならないが、リーマンショックのときですら業績悪化を最小限に抑えた和地孝会長の...  文字通り、経営の足を掬われたと言えるだろう。東日本大震災の4日前、米輸血関連大手のカリディアンBCTホールディングスを26億2500万ドル(約2152億円)で買収すると発表し、世を驚かせたテルモである。「(輸血関連事業の)グローバルリーダーとして成長を加速する」と、新宅祐太郎社長が自信たっぷりに宣言したその8日後には、主力工場が集中する静岡県東部でもマグニチュード6.4の地震が発生。結果としてこれまでに、生産設備の復旧費に加えて輪番停電に伴う歩留りの悪化、さらには米FDA(食品医薬品局)に対する米子会社の和解金支払いというおまけも乗っかり、11年3月期に営業損益でマイナス12億円、当期損益で同42億円という減益修正発表を強いられた。  最終的な数字の確定は5月11日の決算発表を待たねばならないが、リーマンショックのときですら業績悪化を最小限に抑えた和地孝会長の、

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