医薬経済オンライン

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核酸医薬に未来はあるのか

miRNAの有用性の実現化に向けて

最終回

広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授 田原栄俊

2011年5月1日号

 ロシュが核酸医薬から完全撤退するなど、世界的に siRNA開発ではDDSの問題が大きな障壁となり縮小化されている状況にある。これまで siRNAを手掛けてきたベンチャーやメガファーマが miRNAの開発に力を入れている。 基本的に miRNAは、 siRNAと同様にDDSの問題解決が重要と考えられるが、ほぼ同じ大きさで構造も非常に類似しているにもかかわらず、 siRNAにはない大きな利点がある。 siRNAはひとつの遺伝子を標的としているのに対し、 miRNAは約100の遺伝子を標的として遺伝子の転写、翻訳、分解を制御しており、その発現の変動は生物学的に重要な遺伝子群を制御している。例えば、老化という生物現象は、がん抑制機構の重要なバリアとして機能しているが、老化で増加する miRNAは、がん抑制や細胞増殖抑制に働くことで知られているものが多い。それら...  ロシュが核酸医薬から完全撤退するなど、世界的に siRNA開発ではDDSの問題が大きな障壁となり縮小化されている状況にある。これまで siRNAを手掛けてきたベンチャーやメガファーマが miRNAの開発に力を入れている。 基本的に miRNAは、 siRNAと同様にDDSの問題解決が重要と考えられるが、ほぼ同じ大きさで構造も非常に類似しているにもかかわらず、 siRNAにはない大きな利点がある。 siRNAはひとつの遺伝子を標的としているのに対し、 miRNAは約100の遺伝子を標的として遺伝子の転写、翻訳、分解を制御しており、その発現の変動は生物学的に重要な遺伝子群を制御している。例えば、老化という生物現象は、がん抑制機構の重要なバリアとして機能しているが、老化で増加する miRNAは、がん抑制や細胞増殖抑制に働くことで知られているものが多い。それらの

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