この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
震災復興、年金受給者の協力
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2011年5月1日号
今わが国は、東日本大震災対応という短期課題と国家財政健全化という長期課題の、2つの同時解決を要求されている。まさしく「前門の虎、後門の狼」状態だが、裏を返せば、既得権益を見直す機会を得たということでもある。 10兆円以上の政府資金投下が求められるだろう。国債増発という国家破綻の引き金を引くことなく、緊急に財源を生み出す方法は本当にないのか。以下、前回・前々回に続き、具体案を提示したい。今回着目するのは、「年金」である。 ときに、ボクはもうすぐ年金受給権者になるが、今年度、年金は0.4%引き下げられた。理由は物価が下がったから。日本の公的年金制度には、物価変動に給付水準を連動させる「物価スライド」という仕組みが埋め込まれている。 だが、今日支給されている年金が、実は本来の水準より若干「高め」であることは、あまり知られていない。もともと物価スラ...
今わが国は、東日本大震災対応という短期課題と国家財政健全化という長期課題の、2つの同時解決を要求されている。まさしく「前門の虎、後門の狼」状態だが、裏を返せば、既得権益を見直す機会を得たということでもある。 10兆円以上の政府資金投下が求められるだろう。国債増発という国家破綻の引き金を引くことなく、緊急に財源を生み出す方法は本当にないのか。以下、前回・前々回に続き、具体案を提示したい。今回着目するのは、「年金」である。 ときに、ボクはもうすぐ年金受給権者になるが、今年度、年金は0.4%引き下げられた。理由は物価が下がったから。日本の公的年金制度には、物価変動に給付水準を連動させる「物価スライド」という仕組みが埋め込まれている。 だが、今日支給されている年金が、実は本来の水準より若干「高め」であることは、あまり知られていない。もともと物価スライド
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