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OBSERVER

荒井秀典・京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻教授

2011年4月15日号

 警鐘を鳴らしたほうがいい ——各社が口腔内崩壊(OD)錠開発に凌ぎを削っています。 荒井 OD錠は、唾液で溶けて飲み込みやすいという利便性がある。服用時には水を飲まなくてよいため、透析中の患者など水分が摂れない方には非常にメリットがある。現場からのニーズも高いのではないだろうか。 ただ、問題は、嚥下障害がある一部の人たちにも当てはまるのか、ということ。製薬企業は「嚥下機能障害があっても飲める」とは言っているが、それはあくまで患者の主観的な評価をもとにしただけだ。最近の論文に、嚥下機能を内視鏡ビデオで撮影して評価しているものがある。その報告では、模擬のOD錠が「梨状窩」(喉の奥にあるくぼみ)に溜まり、残留するケースがあった。 ——仮に薬剤が喉に貯留すると、どういった弊害が起きますか。 荒井 誤嚥して気管に入ってしまう危険性がある。喉にと...  警鐘を鳴らしたほうがいい ——各社が口腔内崩壊(OD)錠開発に凌ぎを削っています。 荒井 OD錠は、唾液で溶けて飲み込みやすいという利便性がある。服用時には水を飲まなくてよいため、透析中の患者など水分が摂れない方には非常にメリットがある。現場からのニーズも高いのではないだろうか。 ただ、問題は、嚥下障害がある一部の人たちにも当てはまるのか、ということ。製薬企業は「嚥下機能障害があっても飲める」とは言っているが、それはあくまで患者の主観的な評価をもとにしただけだ。最近の論文に、嚥下機能を内視鏡ビデオで撮影して評価しているものがある。その報告では、模擬のOD錠が「梨状窩」(喉の奥にあるくぼみ)に溜まり、残留するケースがあった。 ——仮に薬剤が喉に貯留すると、どういった弊害が起きますか。 荒井 誤嚥して気管に入ってしまう危険性がある。喉にとどま

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