技術革新と製薬企業の明日
日本企業が気づかない抗体医薬のインパクト
第9回
生島准
2011年4月15日号
東日本大震災の被災者には心からお見舞いを申しあげたい。誠に痛ましい災害の起こった月として11年3月は日本国民の記憶に刻まれた。だが、抗体医薬から見れば、11年3月は大きな飛躍があった画期的な月と記憶されるだろう。誠に禍福は糾える縄の如し、である。
米食品医薬品局(FDA)は3月9日に、難治性の自己免疫疾患、SLE(全身性エリテマトーデス)治療薬として「ベンリスタ」(ベリムマブ、グラクソスミスクライン)の販売を認可した。そして3月25日に悪性黒色腫治療薬として初めて延命効果を認めた「イェルボイ」(イピリムマブ、ブリストルマイヤーズスクイブ)の販売を承認したのだ。いずれも遺伝子組換えで開発した完全ヒト抗体である。世界で30番目(Fc融合タンパク質など誘導体も含めると36番目)と31番目(同じく37番目)の抗体医薬だ。この2剤が画期的なのは、免...
東日本大震災の被災者には心からお見舞いを申しあげたい。誠に痛ましい災害の起こった月として11年3月は日本国民の記憶に刻まれた。だが、抗体医薬から見れば、11年3月は大きな飛躍があった画期的な月と記憶されるだろう。誠に禍福は糾える縄の如し、である。
米食品医薬品局(FDA)は3月9日に、難治性の自己免疫疾患、SLE(全身性エリテマトーデス)治療薬として「ベンリスタ」(ベリムマブ、グラクソスミスクライン)の販売を認可した。そして3月25日に悪性黒色腫治療薬として初めて延命効果を認めた「イェルボイ」(イピリムマブ、ブリストルマイヤーズスクイブ)の販売を承認したのだ。いずれも遺伝子組換えで開発した完全ヒト抗体である。世界で30番目(Fc融合タンパク質など誘導体も含めると36番目)と31番目(同じく37番目)の抗体医薬だ。この2剤が画期的なのは、免疫
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録