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添付文書指導は厚労省の「責務」

イレッサ東京訴訟、覆った大阪地裁判決

2011年4月1日号

 抗がん剤「イレッサ」による間質性肺炎の副作用を巡り、国(厚生労働省)とアストラゼネカが損害賠償を求められていた裁判で、東京地裁は3月23日、判決を言い渡した。国とアストラの責任を認め、遺族2人に対して、計1760万円(請求額は7700万円)を賠償するよう命じた。 2月の大阪地裁判決は、アストラの責任は認めながらも、厚労省の責任については「行政指 導」の法解釈で認めていなかった。 この2つの判決を比べてみると、大阪地裁判決が、正にさじ加減での微妙な判決であることが窺える。 まずイレッサの有効性について東京地裁は、大阪地裁判決を踏襲している。原告が主張していた「奏効率だけでは延命効果は予測できない」との主張について、①承認当時は、抗腫瘍効果の延長として延命効果が期待できると考えられていた②とくに非小細胞肺がんは奏効率が生存期間の延長を予測し得ることが知ら...  抗がん剤「イレッサ」による間質性肺炎の副作用を巡り、国(厚生労働省)とアストラゼネカが損害賠償を求められていた裁判で、東京地裁は3月23日、判決を言い渡した。国とアストラの責任を認め、遺族2人に対して、計1760万円(請求額は7700万円)を賠償するよう命じた。 2月の大阪地裁判決は、アストラの責任は認めながらも、厚労省の責任については「行政指 導」の法解釈で認めていなかった。 この2つの判決を比べてみると、大阪地裁判決が、正にさじ加減での微妙な判決であることが窺える。 まずイレッサの有効性について東京地裁は、大阪地裁判決を踏襲している。原告が主張していた「奏効率だけでは延命効果は予測できない」との主張について、①承認当時は、抗腫瘍効果の延長として延命効果が期待できると考えられていた②とくに非小細胞肺がんは奏効率が生存期間の延長を予測し得ることが知られ

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