医薬経済オンライン

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時流遡航

先端光科学研究の世界を訪ねて

第2回

ジャーナリスト 本田成親

2011年3月15日号

 スプリング8は、西播磨の三原栗山という岩山を削り取って巨大な岩盤を露出させ、その上に建設された世界一の光科学研究施設である(写真)。だが、近年までこの大規模施設の存在は一般にはほとんど知られていなかった。欧米にある同様の研究施設の能力をも凌ぐ8ギガ電子ボルトの電子ビームにより世界最高輝度の放射光を生み出す施設であることを思うと、それは意外というほかない。和歌山カレー事件絡みの砒素化合物の成分同定で一時的にその存在が注目されはしたものの、スプリング8が稼働して以来進められてきた数々の先端研究の重要性に比べると、そんなことなど極めて瑣末な二次的出来事に過ぎない。  そもそも、2000億円にも及ぶ建設費が投じられ、年間運営費だけでも100億円を超えるというこの重要研究施設が、本質的な科学研究の業績とはまるで無縁な刑事事件の延長上の薬物組成分析...  スプリング8は、西播磨の三原栗山という岩山を削り取って巨大な岩盤を露出させ、その上に建設された世界一の光科学研究施設である(写真)。だが、近年までこの大規模施設の存在は一般にはほとんど知られていなかった。欧米にある同様の研究施設の能力をも凌ぐ8ギガ電子ボルトの電子ビームにより世界最高輝度の放射光を生み出す施設であることを思うと、それは意外というほかない。和歌山カレー事件絡みの砒素化合物の成分同定で一時的にその存在が注目されはしたものの、スプリング8が稼働して以来進められてきた数々の先端研究の重要性に比べると、そんなことなど極めて瑣末な二次的出来事に過ぎない。  そもそも、2000億円にも及ぶ建設費が投じられ、年間運営費だけでも100億円を超えるというこの重要研究施設が、本質的な科学研究の業績とはまるで無縁な刑事事件の延長上の薬物組成分析で脚

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