医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

抗体医薬で日本企業が勝ち抜く秘策はあるのか

第8回

生島准

2011年3月15日号

 大型生活習慣病薬の特許切れ、「2010年問題」でわが国の製薬企業は今やてんやわんやだが、実はもっと根深い問題が存在する。  それは抗体医薬の2000年問題である。今や医薬品市場の成長エンジンとなった抗体医薬参入の決定的な出遅れこそ、わが国の製薬企業のアキレス腱だ。これこそが10年問題による売上げの落ち込み解消に、日本企業が難渋する原因となる。このままでは、日本経済と同じ、失われた20年となりかねない。日本の製薬企業はまさに創薬の切所を迎えている。  わが国の製薬企業は99年までは、インターフェロンや顆粒球コロニー刺激因子(G—CSF)などバイオ医薬(当時は生体医薬と呼ばれていた)の商品化で、欧米のバイオベンチャーと互角の勝負を繰り広げていた。背景にはアミノ酸発酵や抗生物質生産で先行した工業的発酵技術があった。  実際、米国のバイオベン...  大型生活習慣病薬の特許切れ、「2010年問題」でわが国の製薬企業は今やてんやわんやだが、実はもっと根深い問題が存在する。  それは抗体医薬の2000年問題である。今や医薬品市場の成長エンジンとなった抗体医薬参入の決定的な出遅れこそ、わが国の製薬企業のアキレス腱だ。これこそが10年問題による売上げの落ち込み解消に、日本企業が難渋する原因となる。このままでは、日本経済と同じ、失われた20年となりかねない。日本の製薬企業はまさに創薬の切所を迎えている。  わが国の製薬企業は99年までは、インターフェロンや顆粒球コロニー刺激因子(G—CSF)などバイオ医薬(当時は生体医薬と呼ばれていた)の商品化で、欧米のバイオベンチャーと互角の勝負を繰り広げていた。背景にはアミノ酸発酵や抗生物質生産で先行した工業的発酵技術があった。  実際、米国のバイオベンチ

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