医薬経済オンライン

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核酸医薬に未来はあるのか

miRNAを用いた疾病診断は実現する

第5回

東京医科大学医学部分子病理学講座主任教授 黒田雅彦

2011年3月1日号

 今回はマイクロRNA(miRNA)の診断利用について考えてみたい。miRNAを用いた診断では、 ①組織におけるmiRNAの発現パターンによる診断、②miRNAの修飾因子であるタンパク質(Dicer、Drosha)による診断、③血清中のmiRNAによる診断──に大きく分類できるが、本稿では、最も臨床応用に近い血清中miRNAに関して言及する。 医学の発展に伴って、さまざまな疾患の原因が分子レベルで明らかになりつつあり、さらに疾患原因分子に対する治療薬も現在多数上市されている。一方、この分子標的治療薬に対して、遺伝子診断の実用化例が少ないと感じるのは、多くの医療関係者の実感だろう。その原因の第1は、遺伝子検査の対象となる試料の問題である。 一般的に診断薬に用いられている項目の対象は、大部分が液性検体と呼ばれるもので、患者が外来受診する際に採取できるものが中心である。具...  今回はマイクロRNA(miRNA)の診断利用について考えてみたい。miRNAを用いた診断では、 ①組織におけるmiRNAの発現パターンによる診断、②miRNAの修飾因子であるタンパク質(Dicer、Drosha)による診断、③血清中のmiRNAによる診断──に大きく分類できるが、本稿では、最も臨床応用に近い血清中miRNAに関して言及する。 医学の発展に伴って、さまざまな疾患の原因が分子レベルで明らかになりつつあり、さらに疾患原因分子に対する治療薬も現在多数上市されている。一方、この分子標的治療薬に対して、遺伝子診断の実用化例が少ないと感じるのは、多くの医療関係者の実感だろう。その原因の第1は、遺伝子検査の対象となる試料の問題である。 一般的に診断薬に用いられている項目の対象は、大部分が液性検体と呼ばれるもので、患者が外来受診する際に採取できるものが中心である。具体的

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