リーダーのための読書論
二宮金次郎は低成長・人口減時代の成功モデルたり得るか
株式会社メディカルライン 榎戸誠
2011年3月1日号
『代表的日本人』(内村鑑三著、鈴木範久訳、岩波文庫)には、何とも魅力的な日本人が取り上げられている。「新日本の創設者・西郷隆盛、封建領主・上杉鷹山、農民聖者・二宮尊徳、村の先生・中江藤樹、仏僧・日蓮上人」の5人であるが、海外の人々に向けて日本人も捨てたものではないぞということを、外国語(英文)で示そうとした若き内村鑑三の意気込みが伝わってくる。 例えば、尊徳(金次郎)の少年時代は、伝記『報徳記』(富田高慶著)に基づき、このように描かれている。「父は、ごく貧しい農夫でした。15歳(満年齢)の時、親を亡くし、伯父の世話を受けることになりました。この若者は、できるだけ伯父の厄介になるまいとして、懸命に働きました。1日の全仕事を終えた後の深夜の、孔子の『大学』の勉強を伯父にこっぴどく叱られ、それ以後、尊徳の勉強は、伯父の家のために毎日、干し草や薪...
『代表的日本人』(内村鑑三著、鈴木範久訳、岩波文庫)には、何とも魅力的な日本人が取り上げられている。「新日本の創設者・西郷隆盛、封建領主・上杉鷹山、農民聖者・二宮尊徳、村の先生・中江藤樹、仏僧・日蓮上人」の5人であるが、海外の人々に向けて日本人も捨てたものではないぞということを、外国語(英文)で示そうとした若き内村鑑三の意気込みが伝わってくる。 例えば、尊徳(金次郎)の少年時代は、伝記『報徳記』(富田高慶著)に基づき、このように描かれている。「父は、ごく貧しい農夫でした。15歳(満年齢)の時、親を亡くし、伯父の世話を受けることになりました。この若者は、できるだけ伯父の厄介になるまいとして、懸命に働きました。1日の全仕事を終えた後の深夜の、孔子の『大学』の勉強を伯父にこっぴどく叱られ、それ以後、尊徳の勉強は、伯父の家のために毎日、干し草や薪を取
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