時流遡航
先端光科学研究の世界を訪ねて
第1回
ジャーナリスト 本田成親
2011年3月1日号
電子シンクロトロン(円形または長円形の電子加速器)で光速近くまで加速された高エネルギー自由電子は、弧状や波形の曲線軌道をとるように制御すると、軌道となる曲線の接線方向に強い光を放出する。便宜上、電子というものは小粒子として説明されているが、実際には「電子雲」とでも呼んだほうがよさそうな不定形のエネルギー塊である。超高速運動をするそのエネルギー塊が強い磁場で曲げられると、エネルギーの一部が剥ぎ取られ、曲線の接線方向に光となって飛び出す。シンクロトロン放射と呼ばれるこの現象の原理を詳細に説明するのは容易でないが、比喩的には、一杯に水の入った小型容器を空中で円弧状に振り回すと、水の一部が飛沫となって弧の接線方向に飛び出すときの光景を想像してもらえばよいかもしれない。
高輝度で均一かつ強い指向性(散乱せず一定方向に進む性質)をもつこ...
電子シンクロトロン(円形または長円形の電子加速器)で光速近くまで加速された高エネルギー自由電子は、弧状や波形の曲線軌道をとるように制御すると、軌道となる曲線の接線方向に強い光を放出する。便宜上、電子というものは小粒子として説明されているが、実際には「電子雲」とでも呼んだほうがよさそうな不定形のエネルギー塊である。超高速運動をするそのエネルギー塊が強い磁場で曲げられると、エネルギーの一部が剥ぎ取られ、曲線の接線方向に光となって飛び出す。シンクロトロン放射と呼ばれるこの現象の原理を詳細に説明するのは容易でないが、比喩的には、一杯に水の入った小型容器を空中で円弧状に振り回すと、水の一部が飛沫となって弧の接線方向に飛び出すときの光景を想像してもらえばよいかもしれない。
高輝度で均一かつ強い指向性(散乱せず一定方向に進む性質)をもつこの白
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