医薬経済オンライン

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核酸医薬に未来はあるのか

エクソソームを介したmiRNAと核酸情報の伝搬

第4回 

独立行政法人国立がん研究センター研究所分子細胞治療研究分野分野長 落谷孝広

2011年2月15日号

 マイクロRNA(miRNA)は、生命現象の微調整役として多くの遺伝子やタンパク質の発現制御に関与している。従来のmiRNAの発現解析では、専ら細胞内のmiRNAが対象だった。ところが最近、細胞外に分泌されるタイプのmiRNA(分泌型miRNA)が注目されるようになっている。例えば、がん患者と健常者とでは分泌型miRNAのプロファイリングに大きな違いがみられ、その違いががんの新たなマーカーとして診断や治療に応用できる可能性が出ている。分泌型miRNAは体液中を循環するが、エクソソームのようなナノサイズの小胞顆粒に包埋されるため、多くの消化酵素が存在する血漿・血清中でも安定である。疾患の病態や進行度合いなど、ヒトの生理状態によってその発現量や種類が大きく変化するため、血液を利用した非浸襲的な診断用バイオマーカーとしても期待されている。 一方でエク...  マイクロRNA(miRNA)は、生命現象の微調整役として多くの遺伝子やタンパク質の発現制御に関与している。従来のmiRNAの発現解析では、専ら細胞内のmiRNAが対象だった。ところが最近、細胞外に分泌されるタイプのmiRNA(分泌型miRNA)が注目されるようになっている。例えば、がん患者と健常者とでは分泌型miRNAのプロファイリングに大きな違いがみられ、その違いががんの新たなマーカーとして診断や治療に応用できる可能性が出ている。分泌型miRNAは体液中を循環するが、エクソソームのようなナノサイズの小胞顆粒に包埋されるため、多くの消化酵素が存在する血漿・血清中でも安定である。疾患の病態や進行度合いなど、ヒトの生理状態によってその発現量や種類が大きく変化するため、血液を利用した非浸襲的な診断用バイオマーカーとしても期待されている。 一方でエクソソ

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