薬剤経済学
有効性比較研究の実際
第28回 前立腺がん3つの療法の比較(後)
2011年2月15日号
米国の泌尿器科医が参加する前立腺がん患者レジストリー(CaPSURE)から、腫瘍の広がりも転移もない局所性の患者7538人のデータを分析すると、遠隔照射放射線療法(EBRT)、ホルモン療法(PADT)に比べて、67%が選んだ前立腺全摘術(RP)の死亡率が相対的に低かった。 10年間の前立腺がんによる相対的な死亡確率(ハザード比=H.R.)は、RP1に対しEBRTが2.6、PADT4.36だが、RPには相対的に若く、疾患リスクも低い患者が多い(表1)。 しかし、患者年齢、PSA値、グリーソン・スコア、臨床的腫瘍T分類から術後の再発のない生存期間を推計するKattanスコア、診断年齢や生検スコアも加えて「病理的な段階、生化学的な疾患のない」生存期間を推計するCAPRAスコアの2つの方法によって治療法別の患者集団の前立腺がんリスクを調整しても、違いは縮...
米国の泌尿器科医が参加する前立腺がん患者レジストリー(CaPSURE)から、腫瘍の広がりも転移もない局所性の患者7538人のデータを分析すると、遠隔照射放射線療法(EBRT)、ホルモン療法(PADT)に比べて、67%が選んだ前立腺全摘術(RP)の死亡率が相対的に低かった。 10年間の前立腺がんによる相対的な死亡確率(ハザード比=H.R.)は、RP1に対しEBRTが2.6、PADT4.36だが、RPには相対的に若く、疾患リスクも低い患者が多い(表1)。 しかし、患者年齢、PSA値、グリーソン・スコア、臨床的腫瘍T分類から術後の再発のない生存期間を推計するKattanスコア、診断年齢や生検スコアも加えて「病理的な段階、生化学的な疾患のない」生存期間を推計するCAPRAスコアの2つの方法によって治療法別の患者集団の前立腺がんリスクを調整しても、違いは縮小す
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