技術革新と製薬企業の明日
新興国参入への課題
第7回
生島准
2011年2月15日号
わが国の製薬企業と自動車産業の最大の違いは、国際展開にある。トヨタもホンダも世界の津々浦々に販売網を構築しているが、製薬企業は主に米欧とアジアの一部に販売網を構築しているに過ぎない。厚生労働省の保護行政の下で国内市場にすっぽり嵌り込み、海外には製品ライセンスで対応してきた。
そして現在特許切れを迎えている生活習慣病薬群によって初めて、90年代から米欧市場への販売網を始めたところだ。だが、各国の保険医療財政の悪化で、先進国の市場の成長率はすでに伸び悩んでいる。メガファーマは先回りしてBRICsなど新興国市場開拓を始めた。おっとり刀で日本企業も09年前後から、新興国市場参入を開始したが、そこにはヒトの遺伝的多様性という危険な罠が待ち構えている。このままでは、日本企業の新興国進出も抗菌剤や抗ウイルス剤以外は成功が覚束ないどころか、副作...
わが国の製薬企業と自動車産業の最大の違いは、国際展開にある。トヨタもホンダも世界の津々浦々に販売網を構築しているが、製薬企業は主に米欧とアジアの一部に販売網を構築しているに過ぎない。厚生労働省の保護行政の下で国内市場にすっぽり嵌り込み、海外には製品ライセンスで対応してきた。
そして現在特許切れを迎えている生活習慣病薬群によって初めて、90年代から米欧市場への販売網を始めたところだ。だが、各国の保険医療財政の悪化で、先進国の市場の成長率はすでに伸び悩んでいる。メガファーマは先回りしてBRICsなど新興国市場開拓を始めた。おっとり刀で日本企業も09年前後から、新興国市場参入を開始したが、そこにはヒトの遺伝的多様性という危険な罠が待ち構えている。このままでは、日本企業の新興国進出も抗菌剤や抗ウイルス剤以外は成功が覚束ないどころか、副作用リ
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