ラテン転々
「NO」と言えない南米人
No.9
三山喬
2011年2月15日号
『「NO」と言える日本』という石原都知事らの本がベストセラーになったのは、ふた昔前のことである。イエス・ノーを明確に言う外国人と比べて、日本人の態度はハッキリしない。婉曲な表現でそれを伝えようとする。日本人同士の間では奥ゆかしい行為でも、国際社会では誤解を生む態度である。そんな話を、あの頃はそのまま鵜呑みにした。 しかし、今はそう思わない。南米の人たちに比べたら、日本人は相当にハッキリ「ノー」を伝える。断言してもいい。 南米人のほとんど、私の体験では9割以上の人は、非常に愛想がいい。対面する相手には笑顔を見せ、親しげに振る舞い、自分はあなたに会えて本当にうれしいのだ、という態度を全身で示す。 問題は、会話である。その場の〝空気〟を非常に大事にする彼らは、雰囲気を気まずくする言葉を極力避けるようにする。相手が望むことに「ノー」と言うことな...
『「NO」と言える日本』という石原都知事らの本がベストセラーになったのは、ふた昔前のことである。イエス・ノーを明確に言う外国人と比べて、日本人の態度はハッキリしない。婉曲な表現でそれを伝えようとする。日本人同士の間では奥ゆかしい行為でも、国際社会では誤解を生む態度である。そんな話を、あの頃はそのまま鵜呑みにした。 しかし、今はそう思わない。南米の人たちに比べたら、日本人は相当にハッキリ「ノー」を伝える。断言してもいい。 南米人のほとんど、私の体験では9割以上の人は、非常に愛想がいい。対面する相手には笑顔を見せ、親しげに振る舞い、自分はあなたに会えて本当にうれしいのだ、という態度を全身で示す。 問題は、会話である。その場の〝空気〟を非常に大事にする彼らは、雰囲気を気まずくする言葉を極力避けるようにする。相手が望むことに「ノー」と言うことなど
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