この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
年金の世代間公平とは
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2011年2月15日号
わが国では「国民皆年金」体制が採られている。だが、その内容についての誤解が少なくない。仕組み的には「保険」であり、事前に保険料を納付しておくことが絶対に必要だ。皆年金とは、「誰をも加入させる」という意味であり、「誰もが貰える」という意味ではないのだ。そしてもうひとつ、一定年齢以上生きている者に受給権があり、死んでしまった者には権利がない。早死者は計算上、絶対に損をすることが前提なのだ。このことを押さえたうえで、世上の年金問題を考えることが肝要だ。 年金問題の主要論点のひとつに「世代間の不公平」がある。今の高齢者は払い込んだ保険料より多めに受給するが、将来世代はその逆で損をする、という議論だ。この問題を正しく理解するには、政策的に進められた「成熟化措置」などの説明が必要なのだが、紙幅の都合で難しい。話を将来に限って基本点を論じることにし...
わが国では「国民皆年金」体制が採られている。だが、その内容についての誤解が少なくない。仕組み的には「保険」であり、事前に保険料を納付しておくことが絶対に必要だ。皆年金とは、「誰をも加入させる」という意味であり、「誰もが貰える」という意味ではないのだ。そしてもうひとつ、一定年齢以上生きている者に受給権があり、死んでしまった者には権利がない。早死者は計算上、絶対に損をすることが前提なのだ。このことを押さえたうえで、世上の年金問題を考えることが肝要だ。 年金問題の主要論点のひとつに「世代間の不公平」がある。今の高齢者は払い込んだ保険料より多めに受給するが、将来世代はその逆で損をする、という議論だ。この問題を正しく理解するには、政策的に進められた「成熟化措置」などの説明が必要なのだが、紙幅の都合で難しい。話を将来に限って基本点を論じることにしよう
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