医薬経済オンライン

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急速に洗練されるレセプト審査

支払基金、15年度に1・2万品目分の医薬品チェックへ

2011年2月1日号

 卵と壁──。『海辺のカフカ』でエルサレム賞を受賞し、当地で授賞式スピーチをした村上春樹の、あまりにも有名なキーフレーズである。  「卵」とは、脆く壊れやすく、代替不能な一人ひとりの人間の命の喩え。「壁」は、人間がつくり出し、そして人間を統制する堅牢なシステムのこと。  奇しくも、その一対の比喩は、多様性・不確実性・複雑さに対応する「医療」と、画一性・反復性・単純さを要請する「保険」の間の、宿命的な葛藤にもピタリと符合する。  だとしたら、紙レセプトから電子レセプトへ移行し、レセプト審査に二重三重の「システムチェック」が張り巡らされようとしている今日の局面は、個々の「卵」と「医の営み」に何をもたらすのだろうか。  「保険」の側は、怒っていた。  矛先は社会保険診療報酬支払基金(支払基金)。保険者から審査手数料をしっかり取りながら、相当数の...  卵と壁──。『海辺のカフカ』でエルサレム賞を受賞し、当地で授賞式スピーチをした村上春樹の、あまりにも有名なキーフレーズである。  「卵」とは、脆く壊れやすく、代替不能な一人ひとりの人間の命の喩え。「壁」は、人間がつくり出し、そして人間を統制する堅牢なシステムのこと。  奇しくも、その一対の比喩は、多様性・不確実性・複雑さに対応する「医療」と、画一性・反復性・単純さを要請する「保険」の間の、宿命的な葛藤にもピタリと符合する。  だとしたら、紙レセプトから電子レセプトへ移行し、レセプト審査に二重三重の「システムチェック」が張り巡らされようとしている今日の局面は、個々の「卵」と「医の営み」に何をもたらすのだろうか。  「保険」の側は、怒っていた。  矛先は社会保険診療報酬支払基金(支払基金)。保険者から審査手数料をしっかり取りながら、相当数のレセ

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