医薬経済オンライン

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薬剤経済学

有効性比較研究の実際

第26回 CER推進に対する市民の警戒感(下)

2011年1月15日号

 患者の判断を助ける情報提供は歓迎だが、患者負担や給付制限に使われないか心配だ。これがA.S.ガーバー(エール大学)らによる有効性比較研究(CER)に関する世論調査が示した米国民の感覚だった(「国民が有効性比較研究に期待するのは(診療方針の)義務化・強制でなく情報」、ヘルス・アフェアーズ2010年10月)。 微妙な匙加減でも風向きが変わり得る雰囲気を、研究チームはCER擁護論に同意し研究推進を支持する意見が、次に批判的、懐疑的な意見に晒されて目減りする度、逆にCER懐疑論と、そんな心配は無用と、説明による意見の拮抗状態を測る作業を通じて探っている。 CERは「診療結果の改善に寄与する」、あるいは「医療の効率化を通じて財政赤字削減に貢献できる」という擁護論に同意する率は、「画一診療に誘導しかねない」と聞かされると、10ポイント下がり(表2のⓐ)、...  患者の判断を助ける情報提供は歓迎だが、患者負担や給付制限に使われないか心配だ。これがA.S.ガーバー(エール大学)らによる有効性比較研究(CER)に関する世論調査が示した米国民の感覚だった(「国民が有効性比較研究に期待するのは(診療方針の)義務化・強制でなく情報」、ヘルス・アフェアーズ2010年10月)。 微妙な匙加減でも風向きが変わり得る雰囲気を、研究チームはCER擁護論に同意し研究推進を支持する意見が、次に批判的、懐疑的な意見に晒されて目減りする度、逆にCER懐疑論と、そんな心配は無用と、説明による意見の拮抗状態を測る作業を通じて探っている。 CERは「診療結果の改善に寄与する」、あるいは「医療の効率化を通じて財政赤字削減に貢献できる」という擁護論に同意する率は、「画一診療に誘導しかねない」と聞かされると、10ポイント下がり(表2のⓐ)、財政

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