医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

2度目の夢を見んとするビッグファーマ

第6回

生島准

2011年1月15日号

 ノバルティスが、09年6月18日に米国で販売承認を獲得した抗体医薬「イラリス」(一般名カナキヌマブ)は、ブロックバスターとは対極的な意味で注目を浴びた。 なぜなら、たった300例しか米国で患者がいない希少疾患の治療薬だからだ。わが国でも50例、全世界から掻き集めても7000例しか患者はいない、4歳以上のクリオピリン関連周期性症候群(CAPS)が適応症である。 希少疾患なら米国で高額な薬価が取れるとはいえ、ビッグファーマにとってはあまりにも市場が微少である。しかも、製造コストの高い抗体医薬、ベンチャー企業などに比べ固定費の高いビッグファーマが販売して果たして算盤が合うのか、という疑問も膨らんだ。わが国の製薬企業の常識ではとても理解できない。「09年度決算で443億ドル、前年比11%と過去最高の売上高となった同社の社会還元だろう」という声が多かった。 だが、調...  ノバルティスが、09年6月18日に米国で販売承認を獲得した抗体医薬「イラリス」(一般名カナキヌマブ)は、ブロックバスターとは対極的な意味で注目を浴びた。 なぜなら、たった300例しか米国で患者がいない希少疾患の治療薬だからだ。わが国でも50例、全世界から掻き集めても7000例しか患者はいない、4歳以上のクリオピリン関連周期性症候群(CAPS)が適応症である。 希少疾患なら米国で高額な薬価が取れるとはいえ、ビッグファーマにとってはあまりにも市場が微少である。しかも、製造コストの高い抗体医薬、ベンチャー企業などに比べ固定費の高いビッグファーマが販売して果たして算盤が合うのか、という疑問も膨らんだ。わが国の製薬企業の常識ではとても理解できない。「09年度決算で443億ドル、前年比11%と過去最高の売上高となった同社の社会還元だろう」という声が多かった。 だが、調べて

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