医薬経済オンライン

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ラテン転々

南米的「正義」の危うさ

No.8

三山喬

2011年1月15日号

 つい先日、とある宴席で名刺交換した相手に、ひとりの女性弁護士がいた。以前、どこかで会ったことがある。お互い、瞬時にそう気づいたが、いったい、いつどこで会ったのか、なかなか思い出せずに首を傾げた。 宴が進むにつれ、私が7年間、南米暮らしをしていたことを先方も知り、もしかしたら、と口にしたのが、ペルーのフジモリ元大統領の件だった。彼女はアムネスティなどとともに、フジモリ氏の刑事処罰を求める側にいた。 そうそう、と私も思い出した。そうした日本の人権団体の動きを冷ややかに見ていた私は、一時帰国した際に彼女に会いに行ったのだが、話はとことん噛み合わなかった。 「結局、どっちもどっちって話だと思うんですけどね」 思わずそうボヤいた私の言わんとすることを、彼女もすぐ理解した。フジモリ氏在任中の人権侵害や汚職を追及した次の政権や、ペルーでの報道を見て、...  つい先日、とある宴席で名刺交換した相手に、ひとりの女性弁護士がいた。以前、どこかで会ったことがある。お互い、瞬時にそう気づいたが、いったい、いつどこで会ったのか、なかなか思い出せずに首を傾げた。 宴が進むにつれ、私が7年間、南米暮らしをしていたことを先方も知り、もしかしたら、と口にしたのが、ペルーのフジモリ元大統領の件だった。彼女はアムネスティなどとともに、フジモリ氏の刑事処罰を求める側にいた。 そうそう、と私も思い出した。そうした日本の人権団体の動きを冷ややかに見ていた私は、一時帰国した際に彼女に会いに行ったのだが、話はとことん噛み合わなかった。 「結局、どっちもどっちって話だと思うんですけどね」 思わずそうボヤいた私の言わんとすることを、彼女もすぐ理解した。フジモリ氏在任中の人権侵害や汚職を追及した次の政権や、ペルーでの報道を見て、私

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