この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
がん検診クーポン券
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2011年1月15日号
09年度から、女性特有のがんについて、検診受診率を上げるために「無料検診クーポン券」なるものが配られている。20歳/25歳/30歳/35歳/40歳の女性に子宮頸がん検診のクーポン券が、40歳/45歳/50歳/55歳/60歳の女性に乳がん検診のクーポン券が、市町村から配られる。 がんを撲滅できれば平均寿命をさらに何歳か高めることができるのだから、がん対策促進そのものに異論はない。だが、巨額の国民の税金を投じるとなると話は別だ。 その経費支弁に合理的根拠があるのか。経費投入の見返り効果はしっかり見込めるのか。そうしたことを検証する必要がある。さほど意義がない事業であれば、仮に財政に余裕があったとしても取り組むべきではない。今は財政破綻寸前の危機。余分の資金はすべて国債返済に回すべきだろう。 そうした視点でこのクーポン券事業を検証してみるとどうなるか。 まず検診...
09年度から、女性特有のがんについて、検診受診率を上げるために「無料検診クーポン券」なるものが配られている。20歳/25歳/30歳/35歳/40歳の女性に子宮頸がん検診のクーポン券が、40歳/45歳/50歳/55歳/60歳の女性に乳がん検診のクーポン券が、市町村から配られる。 がんを撲滅できれば平均寿命をさらに何歳か高めることができるのだから、がん対策促進そのものに異論はない。だが、巨額の国民の税金を投じるとなると話は別だ。 その経費支弁に合理的根拠があるのか。経費投入の見返り効果はしっかり見込めるのか。そうしたことを検証する必要がある。さほど意義がない事業であれば、仮に財政に余裕があったとしても取り組むべきではない。今は財政破綻寸前の危機。余分の資金はすべて国債返済に回すべきだろう。 そうした視点でこのクーポン券事業を検証してみるとどうなるか。 まず検診で早
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