リーダーのための読書論
実用文は「起承転結」でなく、「結起承展」でいけ
第46回
株式会社メディカルライン 榎戸誠
2011年1月1日号
1934年の谷崎潤一郎の『文章読本(とくほん)』以降、今日まで書店に並んだ文章読本は枚挙に暇がないが、『日本語作文術——伝わる文章を書くために』(野内良三著、中公新書)は、類書とは異なり、実に大胆な、小気味よい文章読本である。 本書が対象としているのは、文系、理系を問わず、実務、職場、学術など多様な場面に対応できる汎用性の高い文章、すなわち「実用文」である。そして、ひたすら技術的、実用的な入門書であることをめざしている。具体的には、①読み易いこと、②分かり易いこと、③説得力があること——この3つの要件を満たすことだ。 これまで出版された81冊の文章読本から導き出されるのは、次の5大心得だという。①分かり易く書け、②短く書け、③書き出しに気を配れ、④起承転結に則って書け、⑤品位を持て。これに対し、著者は①②には同感しているが、③〜⑤にはクレームをつけている。文...
1934年の谷崎潤一郎の『文章読本(とくほん)』以降、今日まで書店に並んだ文章読本は枚挙に暇がないが、『日本語作文術——伝わる文章を書くために』(野内良三著、中公新書)は、類書とは異なり、実に大胆な、小気味よい文章読本である。 本書が対象としているのは、文系、理系を問わず、実務、職場、学術など多様な場面に対応できる汎用性の高い文章、すなわち「実用文」である。そして、ひたすら技術的、実用的な入門書であることをめざしている。具体的には、①読み易いこと、②分かり易いこと、③説得力があること——この3つの要件を満たすことだ。 これまで出版された81冊の文章読本から導き出されるのは、次の5大心得だという。①分かり易く書け、②短く書け、③書き出しに気を配れ、④起承転結に則って書け、⑤品位を持て。これに対し、著者は①②には同感しているが、③〜⑤にはクレームをつけている。文章読
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