時流遡航
危機に瀕する日本の高等教育
第4回
ジャーナリスト 本田成親
2010年12月15日号
日本国内における学術界への民間支援は欧米先進諸国に比べてとても少ないと書いたが、それは別の意味でも研究体制に少なからぬ影響を与えている。日本の研究者の場合、たとえ多額の研究資金を獲得したとしても、ほとんどが国費だとの理由から、資金の用途や費用対効果、研究業績などについて細々とした報告書提出を義務付けられる。その種の書類作成に不慣れな研究者は、その対応に相当な時間と労力を取られてしまい、本来の研究に専念するどころの騒ぎではなくなってしまうのだ。
だからといって、報告書作成のために人手を探すとなると、それはそれで多大な費用や手間が必要だ。しかも、一部の研究費を除き、単年度会計処理に基づく書類提出を求められるから、事態はますます煩雑を極めることになる。激しい研究費獲得競争があるにもかかわらず、いったん獲得すれば自由に使える民間の学...
日本国内における学術界への民間支援は欧米先進諸国に比べてとても少ないと書いたが、それは別の意味でも研究体制に少なからぬ影響を与えている。日本の研究者の場合、たとえ多額の研究資金を獲得したとしても、ほとんどが国費だとの理由から、資金の用途や費用対効果、研究業績などについて細々とした報告書提出を義務付けられる。その種の書類作成に不慣れな研究者は、その対応に相当な時間と労力を取られてしまい、本来の研究に専念するどころの騒ぎではなくなってしまうのだ。
だからといって、報告書作成のために人手を探すとなると、それはそれで多大な費用や手間が必要だ。しかも、一部の研究費を除き、単年度会計処理に基づく書類提出を求められるから、事態はますます煩雑を極めることになる。激しい研究費獲得競争があるにもかかわらず、いったん獲得すれば自由に使える民間の学術資
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