医療メディア革命にどう対応すべきか

技術革新と製薬企業の明日

医療メディア革命にどう対応すべきか

第5回

生島准

2010年12月15日号

　医療の技術革新を実用化するには、患者や医療関係者に医薬品や診断薬を届けるだけでは十分ではない。技術革新の功罪も含め、正しい知識を提供し、現場の医療へと摩擦なく浸透させる必要がある。その意味では、医薬品業界や医療機器・診断薬業界にとって情報伝達こそが、競争の分かれ目である。　日本で医療関係者当たりのＭＲ数が先進国で突出しているのも、ゾロ新狙いの過当競争と日本特有の商習慣もあるが、急速な技術革新で生じている医療現場や患者との知識較差を真剣に埋める努力の表れでもあるだろう。とくに、一般市民の教育レベルが高く、医師を質問攻めする患者もインターネットの普及で急速に増えている。　また、市販後の副作用や誤処方によるリスクの抑止にも、情報提供がカギを握っている。革新的な医薬品や医療機器・診断薬のライフサイクルマネジメントにも、適切な情... 　医療の技術革新を実用化するには、患者や医療関係者に医薬品や診断薬を届けるだけでは十分ではない。技術革新の功罪も含め、正しい知識を提供し、現場の医療へと摩擦なく浸透させる必要がある。その意味では、医薬品業界や医療機器・診断薬業界にとって情報伝達こそが、競争の分かれ目である。　日本で医療関係者当たりのＭＲ数が先進国で突出しているのも、ゾロ新狙いの過当競争と日本特有の商習慣もあるが、急速な技術革新で生じている医療現場や患者との知識較差を真剣に埋める努力の表れでもあるだろう。とくに、一般市民の教育レベルが高く、医師を質問攻めする患者もインターネットの普及で急速に増えている。　また、市販後の副作用や誤処方によるリスクの抑止にも、情報提供がカギを握っている。革新的な医薬品や医療機器・診断薬のライフサイクルマネジメントにも、適切な情報提

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