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薬剤経済学

有効性比較研究の実際

第23回 ALLHATアカデミック・ディテーリング(上)

2010年12月1日号

 2002年末、JAMA誌に発表されたALLHAT「降圧剤と脂質低減剤治療の心臓発作予防の臨床試験」は、有効性比較研究(CER)の可能性を知らしめた先駆的な研究である。複雑でない高血圧患者に対して古いサイアザイド系の利尿剤は、成熟期にあったACE阻害剤、カルシウム拮抗剤と少なくとも同等という発見は、25ドル対250〜500ドルの年間薬剤費(発表当時)の対比とともに大々的に報じられた。CERは結局、ブランド製剤の存在価値を損なう論拠に使われるという疑念を膨らませる一因になった。 しかし、研究班の眼には発見の重要性に比して、日常診療、医師の処方の変化は小さすぎると不満に映った。研究成果を取り込む2003年末の診療ガイドライン(GL)改訂、「高血圧の診断・評価・治療に関する米国合同委員会7次報告」(JNC7)も大きな変化は生まなかった。影響を受ける大手製薬会社...  2002年末、JAMA誌に発表されたALLHAT「降圧剤と脂質低減剤治療の心臓発作予防の臨床試験」は、有効性比較研究(CER)の可能性を知らしめた先駆的な研究である。複雑でない高血圧患者に対して古いサイアザイド系の利尿剤は、成熟期にあったACE阻害剤、カルシウム拮抗剤と少なくとも同等という発見は、25ドル対250〜500ドルの年間薬剤費(発表当時)の対比とともに大々的に報じられた。CERは結局、ブランド製剤の存在価値を損なう論拠に使われるという疑念を膨らませる一因になった。 しかし、研究班の眼には発見の重要性に比して、日常診療、医師の処方の変化は小さすぎると不満に映った。研究成果を取り込む2003年末の診療ガイドライン(GL)改訂、「高血圧の診断・評価・治療に関する米国合同委員会7次報告」(JNC7)も大きな変化は生まなかった。影響を受ける大手製薬会社が研

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