ドクターかでいのくすりの裏技
がんペプチドワクチン
第35回
かでい伝次郎
2010年11月15日号
10月半ば、朝日新聞が1面で、がんペプチドワクチンの臨床試験における有害事象報告を巡る疑惑を報じた。これに対し、著名な医学者や関連学会が「事実誤認」として一斉に抗議の声を上げ、患者会も疑問を呈した。この問題を報じるメディアは、11月初旬時点で朝日叩き一色と言ってよい。これは以下のような事件である。 東京大学医科学研究所付属病院で開発したがんペプチドワクチンを同病院で臨床試験したところ、ある患者に消化管出血が起きて輸血したが、それを同病院では「重篤な有害事象」と考え、消化管出血のリスクのある患者をそのワクチンに類似した別のワクチンについての複数の臨床試験から外すことにした。ところが、同病院はそのワクチンと似たワクチンを他の病院にも、別の複数の臨床試験用に提供していたのだが、類似のワクチンである以上、問題の起きたワクチンと同じ問題(消化管出血...
10月半ば、朝日新聞が1面で、がんペプチドワクチンの臨床試験における有害事象報告を巡る疑惑を報じた。これに対し、著名な医学者や関連学会が「事実誤認」として一斉に抗議の声を上げ、患者会も疑問を呈した。この問題を報じるメディアは、11月初旬時点で朝日叩き一色と言ってよい。これは以下のような事件である。 東京大学医科学研究所付属病院で開発したがんペプチドワクチンを同病院で臨床試験したところ、ある患者に消化管出血が起きて輸血したが、それを同病院では「重篤な有害事象」と考え、消化管出血のリスクのある患者をそのワクチンに類似した別のワクチンについての複数の臨床試験から外すことにした。ところが、同病院はそのワクチンと似たワクチンを他の病院にも、別の複数の臨床試験用に提供していたのだが、類似のワクチンである以上、問題の起きたワクチンと同じ問題(消化管出血)が
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録